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やえやまファームでは、沖縄素材を活かした製品づくりを通じて沖縄の魅力を全国へ発信すること、また地域の農産物を活用することで地域農業の活性化を目指しています。弊社では、国産スパイスとして希少価値の高い、ピパーツ（島胡椒）に着目して食品加工の研究を進めてきました。

　通常の加工ではピパーツの実を天日乾燥したり、乾煎りしてからパウダーに加工しますが、弊社ではピパーツのフレッシュ感を残すために食材の香りや栄養価をそのまま保存できるフリーズドライ法を用いて、実をまるごと乾燥しました。熱風乾燥でつくったピパーツとフリーズドライしたピパーツについて香気成分を比較したところ、森林浴のリラックス成分（フィトンチット）として知られるリナロール、カリオフィレン、コパエン、フムレンなどの香気成分がフリーズドライピパーツで多く検出されました(1)。また、フリーズドライピパーツでは冷え・むくみの改善が期待されるピペリンが、熱風乾燥ピパーツの1.3倍多く含まれていました(2)。リラックス成分やピペリンが豊富なフリーズドライピパーツを軽くほぐしてから料理に振りかけると、香りが一層引き立つことを確認しました。フレッシュで癒されるアロマを感じながら、後からくる心地よい辛味（ピペリン）が体を巡ります。

　一方、採れたての生ピパーツのシャキシャキした食感を味わっていただきたいと思い、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含む「シママース」で塩漬けにしました。ピパーツの心地よい辛味とシママースのまろやかな塩味が融合し、沖縄の美味しい生胡椒が誕生しました。お肉やお刺身との相性が抜群で、お酒のあてとしても楽しむことができます。生ピパーツの塩漬けには、製品20gあたり240mgのピペリンが含まれており、塩漬けひと切れ（平均0.8g）で9mgのピペリンが摂取できます(2)。冷えやむくみが気になる方に毎日の料理で手軽に美味しく取り入れていただきたいスパイスです。

(1)各試料からヘキサン抽出した香気成分をGC-MSで分析（2025年3月7日）

(2)第25013685001、第25013685002、第25013685003（2025年2月18日）一般財団法人食品分析センター